4月15日、米国で「1日限定」の一般販売が実施されたグーグルグラス。最新版のアップデート(XE16)には、リソース内に大量の日本語コマンドが含まれ「日本発売に向けての準備がはじまった」と見られていることは既にお伝えした通り。

日本語化はグーグルが公式に認めた機能ではないが、端末の地域設定を変更すれば操作メニューを日本語で表示可能な他、日本語での音声検索も可能になっている。
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既に日本語化を済ませた開発者によると「OK,Glassの次に出てくるコマンドリストに突如、“投稿して”という日本語が表示されるようになった」(写真)とのこと。だが、このコマンドは実際には反応せず「日本語対応はあくまでも仮の段階」と見られている。それでも、いくつかの操作が実際に日本語で可能になっている。
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「メールを日本語で作成して送れるほか、グーグル検索も日本語を認識するようになりました。また、ツイッターへの投稿も日本語で可能になりました。(編集部注:日本語でのツイッター投稿は現在は不可能)」(前出・開発者)

さらに、別の開発者からは「経路検索の際にも日本語の地名入力が可能になった。これまでは例えば東京駅の場合 “Tokyo Station”と正確な英語で発音しないと認識しなかったが、日本語化した端末では“東京駅”と言えば即座に反応してくれるようになった」という報告もあがっている。

「数日前にグーグルグラスを入手したばかり」という名古屋の大学生、テイラー(@app_taylor)さんは4月20日、グーグルグラスの使用実感をツイキャスでライブ中継した。

番組中でテイラーさんは「グーグルグラスで、巨人と言ったら今日の試合結果を出してくれた」といった驚きのコメントを発表。
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「日本語でなんでも検索できるのは大きな利点。例えば“天気”と言うと、位置情報で自分がいるところの天気予報を出してくれたりするのもイイなと思いました」とのこと。

ツイキャスでグーグルグラス着用者がライブ動画を配信したのは、恐らく今回が初めてのこと。オンエア中にはホリエモンこと堀江貴文氏からのツイートが飛んでくる場面もあり、世間のグーグルグラスへの関心の高さを改めて実感させられた。

1500ドルという高値にも関わらず、米国での限定販売は「予定台数を完売した」と言われるグーグルグラス。一時はプライバシー侵害への懸念の高まりや、相次ぐ強奪事件の発生といった逆風も吹き荒れたが、ここ1週間ほどで状況はにわかに好転しつつあるようにも思える。

ニュースサイト「ビジネス+IT」は先日公開した記事中で、グーグルグラスと同様に初期には世間から猛烈なバッシングを浴びたグーグルの「ストリートビュー」を引き合いに出し、次のような見方を提示している。
今や日本を含む先進国は既に監視カメラだらけの監視社会。Google Glassも魅力的な体験を伴って一気に広めてしまえば、あとは何とかできるとの皮算用があるのではないだろうか。
なぜグーグルはGoogle Glassを一日限定でも一般販売したのか、本格化するウェアラブル競争

2014年度中には米国で一般発売が予定されているグーグルグラス。日本への投入は数年後と予測されていたが、現状の日本語対応状況を見ると、それよりもずっと早く日本版がリリースされることもあり得るのかもしれない。(Google Glass Info)