米国の著名ブロガーで「Google Glassウォッチャー」として知られるロバート・スコブル氏は4月2日、ニュース専門放送局「CNBC」に出演。グーグルグラスの先行きに黄信号が灯っていることを改めて主張した。

番組でスコブル氏は「ウェアラブルコンピューターを顔面に装着する技術というのはかなりハードルが高い。長期的なスパンで考える必要があり、失敗したと決めつけるのはまだ早い」とした上で、下記のような欠点について述べた。
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・グラスは電話として用いるにはスピーカーの性能が悪すぎる。また、よく利用する通話先には10件しか登録ができす、非常に不便を感じている。

・2年前のGoogle I/Oでは、Google Glassでスカイダイビングをライブ中継するプロモーション映像が流された。しかし、グラスでライブ動画を配信する機能は今だに実現できていない。

・写真をインスタグラムにアップすることができない。フェイスブックやGoogle+で写真をシェアする場合も、写真にタイトルをつけることすらできない。また、撮った写真のピントが合っているかどうかも、グラスのスクリーンでは小さすぎで確認できないし、ズームして見ることもできない。

そんな具合に次々とグーグルグラスの欠陥を挙げていくスコブル氏に対し、キャスターからは「まだプロトタイプ段階の製品に多くを求めすぎなのでは?」といった質問も飛んだが、

「私は既に1年もの間、グラスを使っている。最初は本当に興奮していて、欠点も気にならなかった。しかし、そろそろ一般発売が噂される時期なってもまだこんな状況で、かなり興ざめしつつある」と述べた。

Google Glassの将来を危惧する声は他のメディアからも上がっている。ニュースメディア「Mashable」は2月にサンフランシスコで発生した「バーで女性がグーグルグラスを強奪された事件」以降、米国内でグラスに対するイメージが急速に悪化していることを指摘。

「グーグルは早急に手を打たなければならない。さもなくば、Google Glassは急速に台頭しつつあるスマートウォッチに関心を奪われてしまうだろう。もしも、アップルのiWatchが先に一般発売を開始すれば、Googleがより厳しい立場に追い込まれることは間違いない」と主張している。

グーグルは3月24日、レイバンやオークリーなど、日本人にも馴染み深いブランドを擁するイタリアの眼鏡メーカー、ルックスオティカ社との事業提携を発表。Google Glassの一般発売に向けての取り組みは、確実に前進していると見られるが、発売日や価格については一切明かされていないだけに、その動向が大いに気になるところだ。(Google Glass Info)