本年度後半と予想される一般発売に先駆け、米国では既にいくつかの大学の教育現場でGoogle Glassの活用がはじまっている。ここでは米国のグーグルグラス情報専門サイト「Glass Almanac」が伝えた内容を中心に紹介したい。

2
ミシガン・オプトメトリー・カレッジ

ミシガン州のオプトメトリー(視科学)専門のカレッジ(Michigan College of Optometry)では学生たちにグーグルグラスの購入資金の助成を行っている。同大学2年生のElyse Kleifgenさんは、Googleがツイッターのハッシュタグを用いて行った8000名限定のエクスプローラー(テストユーザー)の募集に応募。

"#ifihadglass optometry would evolve. I could capture exactly what I see for diagnosis, treatment, and research."(もしグラスを入手したら視科学に進歩を与えます。診断や、施術、そして調査の模様をグラスで克明に記録したい)とのツイートで見事、8000人の一人に選ばれた。購入資金の1500ドルはカレッジからの援助でまかない彼女は研究を行っている。

また、同大学では学生や教職員にGoogle Glassの貸出しもスタートしている。診断の際に患者の目の画像を撮影し、診察手順をGlassの主観映像で録画。他の学習者と映像を共有し、治療や実験の様子を後日、クラス全員で鑑賞している。グーグルグラスを利用することにより、患者に負担や危険を与えない方法で、学生たちは治療の訓練を行えるようになった。

※オプトメトリー:視力に関する科学の専門分野。光学を始めとして生理学、解剖学、心理学など幅広い分野を基礎とした学問。

doctor-surgery-600x463
オハイオ州立大学

オハイオ州立大学(Ohio State University)のChristopher Kaeding医師は昨年8月、外科手術の分野で世界で初めて手術中の映像をGoogle Glassを用いてライブ中継した。Kaeding師が中継したのはソフトボールをプレイ中に膝を痛めた患者の手術の模様。学生たちはグーグルハングアウトの映像を通じ、施術者の視点から手術を観察した。

興味深いのは手術中のKaeding医師が、同僚の医師からのアドバイスを受けつつ施術を行ったこと。同僚の医師は街から離れた場所にいて、彼のラップトップから助言を与えた。
グーグルグラスを活用することにより、学生らは全く新しい方法で実践的な知識を得ることができた。手術に影響を及ぼすことなく、詳細な手順を手術内容を観察できるのはグラスを用いた取り組みならではのことと言える。
d6c0f8e7-s
イェール大学

グーグルグラスはイエール大学(Yale University)の図書館、バスライブラリーでも活用されている。
図書館は学生や職員らにグーグルグラスの貸出を実施。図書館のスタッフは、IT部門と協力し図書館専用のGoogle Glassアプリの開発にあたっている。そのアプリを使用すると、利用者は蔵書のスキャンデータにダイレクトにアクセス可能。同大学ではこの技術を障害を持つユーザーの利用にも役立てたい考えだ。

上記に挙げたような事例はGoogle Glassが学術的分野でも利用度が高いことを示している。
今後は教育分野で補助的役割を果たすものからライブ中継的な利用法まで、様々な活用法が考案されていくだろう。(Google Glass Info)

関連リンク:
Google Glass Used During Eye Exam in Ferris’ Michigan College of Optometry

Ohio State's Wexner Medical Cente Point-of-View Surgery Shown Via Google Glass

Yale University Library News: Google Glass available for faculty and student groups during spring semester Archives