先日、大騒動に発展したのが米サンフランシスコ在住の女性が深夜のバーでGoogle Glassを強奪された事件。

2月21日深夜、IT系ライターのサラ・スローカムさんはバーで友人らと談笑していたところ、別の客からグーグルグラスをもぎ取られ、同時に財布や携帯電話も強奪されたという。
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サラさんによると「騒ぎが起きたのは店に入ってから15分ほど経った頃。私が店内の客にGoogle Glassの使い方を説明していたところ、二人の女性客が私がグラスを着用していることに関して文句を言い始めた」とのこと。

「私がグーグルグラスをつけているだけの理由で、彼らはとても失礼な言葉をぶつけてきた。私はその様子を記録する目的で、グラスの録画機能をオンにしました」

サラさんとしては「彼らを挑発するつもりはなかった」というが、彼女が地元のテレビ局に提供した映像を確認すると、録画中のサラさんに向けて、濡れた雑巾が投げつけられたり、客の一人が彼女に歩み寄り「あんたはこの街を殺している」と抗議する姿が確認できる。

その後、バーにいた男性の一人が彼女の顔からGoogle Glassを強奪し、現場から立ち去った。サラさんは男を追跡し、なんとかグーグルグラスを取り戻したが、店に戻ってみると彼女の財布や携帯電話が奪われていた。彼女は被害を警察に通報したが、財布や携帯は現在も取り戻せていないという。

騒動の経緯を本人に直撃してみた。

――サラさんは今後も「Google Glassを着用してバーに行くのをやめない」と発言しているようですが、その気持ちに変化はありませんか?

私の気持ちは変わりません。スマートフォンを常に持ち歩いているのと同じで、私はこれからもどこへでもグーグルグラスを着用して出かけます。もちろんバーにだってグラスをして出かけるつもりです。

――ネット上では「バーはリラックスする場所であって、写真を撮られに行く場所ではない」といった声もあがっていますが。

スマホの持ち込みを禁止するバーやレストランがあるでしょうか? グーグルグラスやその他のウェアラブル機器も、スマホと同等の扱いをされるべきです。ホワイトハウスなどの高度な機密情報を扱う場所や映画の撮影所のように、決して写真をとられたくない場所であれば、持ち込みを禁止する合理的理由もあると思いますが。

――サラさんは今回の事件後、おそらく世界で最も有名なグーグルグラスユーザーとなった訳ですが、周囲の人々の反応は?

事件後のマスコミの報道でロバート・スコブル(米国の著名ブロガー)さんに匹敵するぐらい有名になったのは確かだと思います。ネガティブな反応もあればポジティブな反応もありました。応援してくれる人も居れば、中傷を受けたりもしました。でも、一つ言えるのは、この事件を通じて世間がグーグルグラスについて考えるきっかけを作れたことです。

――今回の事件と前後して、Google Glassは「一般ユーザーが日常的に使用するには目立ちすぎる」という声も上がっていますが、どう思われますか?

グーグルグラスを持っているならば、常に活用すべきです。常に装着し、その機能を追求し、誇りを持って扱ってほしいと思います。私たちは今、ウェアラブルという新しい時代の入り口に立っているのです。近い将来、誰もがグーグルグラスに代表されるウェアラブルデバイスを着用するようになるでしょう。このような新しいデバイスを常に利用してこそ拡張現実(AR)や仮想現実(VR)といったものが体感できるようになる。

グーグルグラスを着けて人と会うことは、これまでに無いタイプの人々との交流を産みます。私はグラスを未体験の人々に、それが一体どういうものなのか、どういう機能を持っているのかを伝えることに喜びを感じます。試してみたいという人には実際にグラスを着用させるのが好きです。そういった活動を通じて、グラスに対する世間の誤解や混乱を解きほぐしていきたいと思っています。

――事件の背後には、サンフランシスコ特有の事情(Googleに代表されるIT企業社員の増加により、家賃の高騰などの問題が起きている)もあったと聞いていますが。

新しいテクノロジーが登場した際には、賛否両論が巻き起こるのは当然のこと。サンフランシスコには確かに、テック系の人々と、非テック系の人々が存在し、新しい技術の登場に際し、不穏な事態が発生したりもしています。ただ、今後の議論の進展によって、この分裂が減少していくことを期待しています。

サラさんによると事件の舞台となったバー「Molotov's 」から、これまで彼女に対し一切の謝罪は無いが、事件に関わった女性店員はその後、店を解雇されたという。(Google Glass Info)