アメリカで最も影響力のあるブロガーとして知られる、ロバート・スコブル氏はGoogle+に公開した文章で、「Google Glassは2014年に失敗する」と予測した。 Google Glassを2013年4月15日(発売開始2日目)に入手し、8ヶ月間に渡り愛用してきたスコブル氏は独自のユーモアを交えた文体で、その魅力と問題点について語っている。
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・誰もがGlassを使ってみたがる
街や会議で出くわした人々にせがまれ、私はこれまでに少なくとも500から1000名の人に自分のGlassを使用させた。時には会議場のトイレで数人の人々にGlassを貸し出した。
同僚のMattはGlassを着けているだけで、バカ野郎と罵られたことがある。自分はそのような悲惨な経験を持たないが、街中で女子高生に取り囲まれたことはある。

・価格の高さ
私が聞いた範囲ではGoogleは2014年には500ドル以下でGlassを発売することは出来ない。それは即ち、2014年の成功は無いことを意味する。機能の改良を重ね、300ドル以下で発売できるのはおそらく2016年になるだろう。

・カメラ機能について
世間が言うほど、カメラ機能は恐ろしいものではない。Glassを装着して人と会うと、多くの人は「自分が撮影されているのでは」という疑念を抱くが、きちんと説明してあげれば問題はない。

・本当に恐ろしいのは「眼球センサー」
この機能を使えば酔っ払っているのかシラフなのかも判別できるし、妻以外の女性をジロジロ見ていることもGoogleに探知されてしまう(自分の妻にアラートが送信されることもありうる)。もちろんグーグルはこの機能をショッピングモールなどで活用し、気になる食品のクーポン券を送信したりもするだろうが…。

・Google Glassに対する最大の不満
Glassが好きか嫌いかと聞かれれば、もちろん愛しているが、一方で大いなる不満を抱えている
Googleはこれまでの時点で、一刻も早くアップストアを立ち上げるべきだったし、センサーをフル活用し、電話と機能を統合したAPIを公開すべきだったし、デベロッパーが真剣に商売に取り組める環境を整備しておくべきだった。

・Googleの社員がGlassを使用していない
最近、Googleの社員がGlassをかけている姿をほとんど見なくなった(スコブル氏はカリフォルニア州在住)。Glassをかけていると、自分がGoogle社員であることを自慢しているようで恥ずかしいというのが理由のようだが、この事が平均的なGoogle社員がGlassプロジェクトを支持していないことを意味する訳ではないことを、切実に祈りたい。
同様の事態はマイクロソフトでも発生し、そのことが彼らのタブレットに対する取り組みを死に追いやる結果を招いた。マイクロソフトはiPadが人気を獲得するまで、タブレットPCに関する取り組みを一切放棄してしまったのだ。
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と、ここまで書いてきたところで、話を本題に戻したいと思う。
私が思うに、Google Glassは2014年に失敗する。なぜか?
1.期待値が高すぎる。
顔面に装着するデバイスというのは、現代で最も議論を呼ぶプロダクトとなるだろう。誰だってアップルのiWatchと比較したがる。それはすなわち、Google Glassの不人気ぶりを伝える記事が量産される結果につながる。曰く。「Google Glassは失敗だった」と。

2.購入へのハードルが高すぎる
全く新しいUIを持つプロダクトであるGlassは、顧客に合わせたカスタマイズが必要だし、ユーザーにはちょっとしたトレーニングが必要になる。Best Buyみたいな量販店で販売する場合、これは販売コストの増加を引き起こす。結果的に2014年内の高セールスは見込めない。

3.十分なアプリが無い
おそらく発売から数か月で専用のアップストアも整備されるだろう。しかし、アーリーアダプターたちは「Uberのアプリはないのか?」「Foursquareは?」「なんでFacebookのアプリはクソなのか?」といった不満を述べるだろう。これに関してGoogleは十分な説明を果たさず、多くのアプリ開発者は様子見のスタンスをとり、アプリの整備はなかなか進まない。

4. UIの問題点
現状のGlassのUIでは多様なアプリにフィットしない。"OK Glass, take a picture,(グラスよ、写真を撮れ)"と命令した場合、一体どのアプリを起動させるのだろう? Pathか? facebookのアプリか? インスタグラムか?
SnapChatなのか? もしくはSmugMugか?

5.バッテリーの問題
私の場合、インタビューなどでGlassの動画機能を活用しているが、現状の仕様では45分しかバッテリーが持たない。

6.写真関連の機能が最悪
Glassで撮影した写真をiPhoneで見ようとすると、わざわざプラグをつないでwifi接続する必要がある。写真のアップロードにかかる手間も煩雑で、説明文を入力する際の音声認識力も非常に貧弱。特にロックコンサートのようなうるさい場所では使い物にならない。

7.Facebook連携が皆無
SNSの本命は言うまでも無くFBだが、GlassにはFBとの連携が一切無い。グーグルには悪いが、Google+を使う人物は私の家族や友人や、普段会話をする人々には居ない。対照的に、ある会議でFBを使っていない人に挙手を求めたところ、わずか一名しか手が挙がらなかった。FBと連携していないこと。これが現状のGoogle Glassに対する、最も腹立たしいことの一つであることは間違い無い。

8.状況分析フィルタリングの欠如
状況分析フィルタリング(contextual filtering)が無いことも大きなイラつきの原因だ。私が講演会でスピーチをしている時、なんでGlassはツイートを流し続けるのか。少なくとも、私が檀上にいることぐらいは認識して、その議題にかかわるハッシュタグに絞りこむような機能が無いのか。しかし現状のGoogleのOSはそのような機能をサポートせず、実現には2015年までかかるだろう。

スキー場にいるならスキーに関する情報を。会議に居るなら議題に沿った内容を。買い物中ならばクーポンやToDoリストを、といった機能が理想だが、現状のGoogle Glassの機能では話にならない。

9.アプリの配布システムが存在しない
アプリの配信プラットフォームが存在しないことも大きな問題と言える。そのうち改善されるとは思うが、現状では誰かが素晴らしいアプリを開発し、私にそのアプリを使わせてみたいと思った場合、私のGlassに物理的にアクセスする以外の方法は無い。
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上記。ロバート・スコブル氏のエントリーから一部を割愛しつつ引用してみた。
それでもGoogle Glassを愛している」というスコブル氏は来週からラズベガスで開催の米国最大の家電見本市、CESにGlassを着用して出かける予定とのこと。

「夜には現地のストリップクラブからGlassでレポートするかもしれない。…いや、ちょと待った」とスコブル氏はエントリーを結んでいる。