11月4日(現地時間)、スマートグラスの業務活用を推進する米国企業・APX Labs社は同社のソリューションが世界最大の航空機メーカー、ボーイング社に正式採用されたことを発表した。

APX Labs社はグーグルが6月に発表したGoogle Glassの業務活用推進プログラム“Glass at Work”の公式パートナーに選出された企業。同社の仕組みはグーグルグラス以外にもエプソンのMoverioなどのスマートグラスに対応している。
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今回、ボーイング社が採用したのは製造業の現場向けに特化したソリューション「Skylight」。ライン工程で働く従業員のトレーニングや、ネット接続された作業機器のハンズフリーでの操作、画像やQRコード認識を通じた製品の品質管理といった機能を提供している。

ボーイング社は今回の試みを通じ、スマートグラスを使用した業務の効率化の検討に入るとのこと。

APX Labsはグーグルグラスの登場以前から“Terminator Vision”と呼ばれる軍用ヘッドマウントディスプレイを米軍向けに提供。「Skylight」以外にもスポーツのライブ中継用システム「Sky Box」を開発し、スマートグラスのBtoB利用のパイオニアとして知られている。

今年4月にはベンチャーキャピタルのNEAから1000万ドル(約10億円)の資金調達に成功。7月には元Google Xプロジェクトの幹部、エリック・ジョンセン(Eric Johnsen)氏を招き入れ、ビジネス開発部門の責任者に起用したことも大きな話題となった。

ジョンセン氏によると「企業のウェアラブル技術の活用は、これから急激な成長期を迎える」とのこと。ボーイングという巨大企業がスマートグラスの活用を宣言したことで、この分野はさらなる競争の激化が予想されそうだ。(Google Glass Info)

Source:Boeing selects Skylight for Google Glass(APX Labs)

APX Video 2012 from APX Labs on Vimeo.