国家戦略特区として「日本一のスタートアップ都市」を目指すことを宣言した福岡市。市内には起業家が集うスタートアップカフェもオープンし、様々な試みが始動している。

そんな福岡市で10月27日に開催されたのが、ウェアラブルをテーマにしたカンファレンス「OMC2014 in Fukuoka」。「創業特区福岡で開くウェアラブルグラスとIoTの未来」と題し、福岡市はこれを機に福岡発の新製品や新サービスが生まれることを期待。共催のBBA(モバイルブロードバンドフォーラム)も、地域の新産業の創出に寄与したい狙いがあるようだ。
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Parabra株式会社
当日は様々なデバイスやサービスが発表されたが、視聴覚障害者向けの「バリアフリー字幕」の発表を行ったのがPalabra株式会社の石原由之氏。同社ではスマートグラスと連携し、映画に字幕を表示する仕組みを開発。
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Palabra社は9月の福岡国際映画祭で実証実験を行ったほか、10月の東京国際映画祭では22台のエプソンMoverioとオリンパスのMEGを用意し、映画「舞妓はレディ」を上映した。 「UDCast」(ユーディーキャスト)と呼ばれる同社のシステムは、外国人観光客向けの映像コンテンツのマルチリンガル化などの用途にも対応。石原氏は「今後、増加が期待できる来日外国人市場向けにも対応を進めたい」と述べた。

九州大学・実積寿也氏
「ウエアラブルデバイス、IoTがもたらす産業変革」をテーマに登壇したのは、九州大学経済学研究院・実積寿也氏。実積氏によると「ウェアラブルはIoTの進化の流れの中の一つであり、街中にある監視カメラなども言わばIoTの一つの形と言える」とのこと。

海外の牧場で導入された「牛にウェアラブルセンサーを装着した農場管理の仕組み」などの興味深い事例も紹介。日本のヤンマー株式会社が開発した「スマートアシスト」など、国内でもIOTの実用化が進む現状についてリポートした。(実積氏が当日使用したスライドはSlideshareで公開中)
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九州大学・実積寿也氏(左)とVuzix社・藤井慶一郎氏(右)

Vuzix社・藤井慶一郎氏
さらに「ハードウェアメーカーから見たウェアラブルの可能性」と題しプレゼンを行ったのはVuzix社の東京支店長・藤井慶一郎氏。Vuzix社製のスマートグラスM100は工場や物流など様々な現場の業務用途に用いられているが、工場の作業現場でバーコードを読み取り、作業の効率化に役立てている様子などが紹介された。


日本ウェアラブルデバイスユーザー会(WUG)
また、「日本ウェアラブルデバイスユーザー会(WUG)」を代表し登壇したのが㈱ブリリアントサービスの杉本礼彦氏。「ウェアラブルは今後、いかにかっこ良くお洒落になれるかが課題」との持論を展開し、「今は“我慢のカワイイ”の段階だが、これからは“本当にカワイイ”と思えるデバイスが登場する」、「普通の女性にも抵抗なく受け入れられる製品の登場を期待したい」と熱弁を振るった。WUG
写真:「日本ウェアラブルデバイスユーザー会」公式サイトから引用

カンファレンスの終盤にはモバイルジャーナリスト・木暮祐一氏が司会を務めるパネルディスカッションも開催。「雰囲気メガネ」の河村和典氏をはじめ、WUGの村岡正和氏、軽量Rubyフォーラムの石井宏昌氏、九州大学の実積寿也氏らがウェアラブルの発展について意見を交わした。
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ディスカッションでは、

「メガネ屋として負担の少ないデバイスをつくりたい。空気のように存在感がなくなるのが理想」(河村氏)
「誰でもモノがつくれる時代になった。プログラムすることが当たり前の時代がくる」(石井氏)
「情報を取得するセンサーは非常に安価になりつつある。それをどう使うかが今後の問題」(実積氏)

といった具合に様々な意見が飛び交った。さらに、WUGの村岡氏からは10月26日の大阪マラソンで神戸大学・塚本昌彦教授がソニーの「SmartEyeglass」を着用して完走した模様の発表もあり、場内を沸かせていた。(Google Glass Info)
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メガネの三城が開発したウェアラブルデバイスとして注目の「雰囲気メガネ」」の河村和典氏(右)。会場ではウェアラブル体験コーナーも設置された。

「OMC2014 in Fukuoka」:登壇者の詳細はこちらから。