米国の映画館で、グーグルグラスなどのウェアラブル機器を全面禁止とするアナウンスが発表された。宣言を行ったのはアメリカ映画協会(Motion Picture Association of America、MPAA)と米劇場主協会(NATO:National Association of Theatre Owners)。
800px-AMCEaston
両協会の公式サイトによると「上映中の館内における録画機器の使用に関し、例外なく禁止する方針を決定した」とのこと。具体的には、

・全ての電話器はマナーモードにし、ウェアラブルデバイスを含む録画機器は電源を切り、しまっておくこと。
・故意に、または過失により録画機器を持ち込んでしまった人物は退去を求められる。
・劇場主が違法行為が行われていると判断した場合には適時、法的機関に連絡を取り、その後の処置が決められる

と、非常に厳しい内容となっている。ここで気になるのが文中の「録画機器」(原文では“recording device”)という文言。実はこの宣言の中には「グーグルグラス」など、特定の製品名は一切含まれておらず、例えば「Narrative Clip」(服やカバンに取り付けて30秒ごとに自動的に撮影を行い、生活の様子を記録する製品)などのライフログデバイスも禁止されるのか、といった疑問も浮上している。

ただし、一部報道では「盗撮犯を発見した従業員には報奨金として500ドルが用意されている」とのことで、映画協会側がこの問題に非常に神経を尖らせていることは確かなようだ。

しかし、今回のアナウンスに対し一部のメディアからは「アメリカ映画協会は以前と言ってることが全く違うじゃないか」との声もあがっている。

というのは、今年2月に映画館でグーグルグラスの盗撮騒ぎが発生した際、アメリカ映画協会は下記のようなコメントを発表していたのだ。

グーグルグラスは素晴らしいモバイル製品であり、現在のところこの製品が盗撮に使用される危険を示す、何の確証も得られていない( Google Glass is an incredible innovation in the mobile sphere, and we have seen no proof that it is currently a significant threat that could result in content theft.)

確かに“豹変”とも思える今回の映画館協会のアナウンス。今後どのような運用がされていくのかが大いに気になるところだ。(Google Glass Info)