グーグルグラスで映画のポスターを認識し、その予告編を再生するアプリ「Preview for Glass」がグーグルの審査を通過。公式アプリリスト「MyGlass」に94番目のGlassware(公式アプリ)として掲載された。

開発したのは当サイトで以前「シリコンバレー在住の日本人開発者」としてインタビュー記事を掲載した堀川隆弘氏(現在は帰国)。日本人が開発したアプリが「MyGlass」に掲載されるのは今回が初の事例だ。

グーグルグラスのアプリは審査を受けない“野良アプリ”として公開することも可能だが、ユーザーにとっては「MyGlass」アプリのほうが手軽にインストール可能で、注目も得やすい。今回の「Preview for Glass」の公式化については米「Glass Almanac」がインタビュー記事を掲載するなど、メディアからの注目も高まっている。 
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Preview for Glass」は画像認識技術を使い、ポスターから映画名を判別。YouTube上にある予告編動画を再生するもの。操作は音声コマンドで行い、 "ok glass, recognize this"との命令で即座に動画が再生できる。 
ポスターの認識にあたっては米国の映画情報サイト「IMDb」「Rotten Tomatoes」「TasteKid」のAPIを使用。現在アメリカで公開中の数百本の映画ポスターを認識可能だ。
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以前から評価の高かった「Preview for Glass」は今年3月に“野良アプリ”の形で公開。堀川氏のブログによると「当時は公式Glasswareは30くらいしかなく、公式になるのはなかなか敷居が高そうだったが、面白そうなのでチャレンジしてみることにした」とのこと。それから数ヶ月に及ぶ審査のやりとりを経て、今回の公式化が実現した。

堀川氏によると「当初は“Preview the movie”という音声コマンドを使いたかったが、グーグルからの指示で“Recognize this”に変更を求められた」とのこと。また、審査の途中で約3ヶ月間、グーグルから返事がこない時期もあったという。

また、グーグルがこだわりを見せていると思われるのが「Glass」という名称について。以前からグーグルは「Glass」という名称を商標登録しようとしている」ことが報道されているが、堀川氏に対しても「“Google Glass”や“glass”という表現は、Webやアプリを含め全て“Glass”に統一してほしい」との要請があったという。アプリ内に「Preview for glass」と表示していたところ、これも“Glass”に直すよう指示されようだ。
そこから伺えるのは「Google Glass」という一部のGeekしか興味を持たないデバイスのイメージを改め、「Glass」という既存のメガネという概念に近づけ、それを置き換える方向で頑張っているんじゃないかと思います
遥かへのスピードランナー

このところAndroidWearの影にかくれ、一部では存在感が薄くなったとも言われるグーグルグラスだが、堀川氏によると「最近はGlasswareもいいペースで増えてきているし、彼らはまだまだ頑張っている印象を受けるので、これからに期待しています」とのこと。

冒頭にも書いた通り、公式Glasswareは94アプリしか無いのが現状。今後も新しいアイデアで「MyGlass」入りにチャレンジする日本人開発者が現れることを期待したい。(Google Glass Info)