グーグルグラスを自閉症の子供のアシストツールとして活用する動きが始まった。9月26日、ニューヨークで開催された国際会議「Autism Speaks」に登壇、プレゼンテーションを行ったのはBrain Power社CEOのNed Sahin氏。

Brain Power社はグーグルグラスなどのウェアラブルテクノロジーを、自閉症に悩む子供やその両親らを助けるツールとして、活用を目指す企業。CEOを務めるNed Sahin氏は神経科学者であると同時にMITやハーバード大学のテクノロジー部門の学位を得た人物。 2
自閉症は脳の特性によって起こる発達障害。先天性の脳機能障害とされるが、その発生のメカニズムについてはまだ未解明の部分が多い。アイコンタクトを避ける、対人関係をうまく築けない、意思伝達ができないといった症状が認められるが、同社のソリューションを用いることにより「子供たちが最先端のテクノロジーを楽しみながら、症状の改善を目指す補助的手段を提供してきたい」(Ned Sahin氏)とのこと。

Brain Power社が今回発表した仕組みは、グーグルグラスを用い自閉症の症状を適切に評価し、継続的に観察。さらに、ゲームを通じて表情の認識トレーニングが実施できるほか、メルトダウンと呼ばれるパニック症状の発症を予測し、両親や介護者に知らせる機能も持つ。
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プレゼンの冒頭でNed氏はグーグルグラスのカメラや各種のセンサーを用いることで、自閉症の子供の頭や視線の動きを正確に記録できることを説明。両親に名前を呼ばれた際に、声の方向に頭を向けているか、アイコンタクトをとっているかといったデータを蓄積可能なことを述べた。6x
さらに、子供が顔を向けない場合は、それをゲーム化してトレーニングする仕組みを構築。子供の関心を惹きやすいよう、相手の顔の上にアングリーバードのイラストを表示。正しく視線を向けるとポイントを獲得できるほか、喜びや驚きといった表情を正しく読み取るゲームも用意。ゲーミフィケーションによる動機づけを行うことで、楽しみながら社会性のトレーニングを実施できることを強調した。

Ned氏によると「子供たちは基本的にテクノロジーが大好きだ。iPhoneやiPadを用いるアイデアもあるが、視線を下に固定するスマホやタブレットでは、目と目を合わせるトレーニングはできない」と、グーグルグラスならではの長所を説明した。

今回のBrain Power社の取り組みはグーグルが運営するグーグルグラスの開発者向け公式ブログ「Glass Journal」でも大きく掲載。グーグルが特定の開発者をブログのトピックとして扱うことはまれで、その関心の高さが伺える。

Brain Power社はその名の通り、人類の脳の潜在的パワーをテクノロジーを通じてアンロックしていくことを使命とする企業。まだスタートしたばかりの企業だが、Ned氏を筆頭に米国や韓国、中国といった様々な国籍を持つ約12名のチームが主軸となり開発を行っている。(Google Glass Info)


How Wearable Technology Could Benefit Individuals with Autism | News | Autism Speaks
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