世界初の“農業向けグーグルグラスアプリ”として話題なのが、米ジョージア州のBasecamp Network社が開発したIntelliScoutという名のアプリ。ハンズフリーで使えるグーグルグラスの利点を活かし、農作業の現場の手間を劇的に軽減。農場ビジネスの経営効率を格段に向上させると期待されている。
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今年3月からこのアプリの開発を開始した同社代表、Craig Ganssle氏によると「IntelliScoutは画像認識技術で作物の状態や、害虫の発生状況などをその場で認識し、記録することが可能」とのこと。

農場運営においては気象情報や、土の乾燥度、堆肥や農薬の散布状況をリアルタイムに把握することが重要だが、IntelliScoutを使用すればクラウドと連携したデータ入手により、作業効率を大幅にアップさせることが可能。作物や農場の様子を記録した写真や動画をチーム内で共有することにより、遠隔地にいる監督からその場で作業指示を受け取ることもできる。
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 また、その画像認識能力は非常に優秀で、人間以上の正確さで作物の収穫量を把握することが可能。カメラの前でトウモロコシを回転させるだけで、一房に何粒のトウモロコシが含まれているかを判別可能な例などが挙げられている。
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IntelliScoutは7月に開催された、“IT時代の農業”をテーマにしたカンファレンス「InfoAg」でも大きな注目を集め、現在、複数の大規模農場と導入に向けての話し合いを進めているとのこと。

「将来的にはこの仕組みを世界各地の農園に導入し、グローバルに農作物の生育データを共有できる仕組みをつくりたい」とGanssle氏は語っている。

天候などの不確定要素に左右される農業は、従来の手法では生産管理が難しいとされてきたが、IT技術の活用により今後、急速な発展が期待されている。

各種のデータを集約し、作物や土壌に応じた最適な管理を行う農法は、「プリシジョン・アグリカルチャー(精密農業)」と呼ばれ、日本でも東京農工大学の澁澤栄教授らを中心に研究が行われている。精密農業の研究は1990年代からスタートしたが、Basecamp Network社の試みはウェアラブル技術を活用し、その流れを一歩先に進めたものと言えそうだ。

農産物の低コスト化や高品質化にも大きく寄与するのが先端農業技術の分野。そのフィールドでグーグルグラスがどのように貢献していくのかに注目したい。(Google Glass Info)