米スタンフォード大学の心臓外科医のトレーニングの現場で、グーグルグラスの活用がはじまった。教官を務める外科医師と研修医らがそれぞれグーグルグラスを着用して実習を行う。

専用のアプリを開発したのは米CrowdOptic社。グループ実習の現場で、別の医師の手元の映像を、そちらを向くだけで自分のモニターに表示できる。研修医たちは熟練した外科医の手術手順をリアルタイムに確認することが可能なほか、教官を務める外科医が研修医たちにダイレクトにフィードバックを与えることも可能だ。
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米国でグーグルグラスが手術現場の中継に導入されたのは、今から約1年以上前。オハイオ州立大学の医師がヒザの手術の模様を中継したのが初のケースとして知られている。しかし、研修医がグーグルグラスを着用し、手術のトレーニングを受けるのは、今回が初の試み。

CrowdOptic社CEOは「今回のソフトウェアの登場は医療現場に劇的な変革をもたらす」とcnetのインタビューに回答。「従来の手法では、込み入った手術の手順を複数の研修医らが同時に確認することは不可能に近かったが、今回のソリューションで可能になった」と述べている。

医療現場へのグーグルグラス導入に関しては、データの秘匿性の確保も大きな問題となるが、同社のソリューションは米国のHIPAA(機密性の高い患者情報を保護するために定められた法律)に準拠。デバイスの通信に関しても独自の帯域を使用。一般的なWi-Fiなどは使用せず、高度なセキュリティーを実現しているという。

また、手術実習に使用するグーグルグラスは他のアプリの機能等は制限し、専用のデバイスとして動作させるとのこと。

CrowdOptic社は今年6月にグーグルが発表した、グーグルグラスの業務利用推進の公式パートナー“Glass at Work”に選出された企業の一つ。同社のソフトウェアは元々はスポーツのライブ中継などで知名度を獲得したが、7月にはサンフランシスコで商用救急車サービスを運営する企業、ProTransport-1との提携も発表。救急搬送中の患者の様子を、病院で待機中の医療チームに伝える仕組みを開発していた。

同社はさらにUCSF(カリフォルニア大学サンフランシスコ校)とも提携を行い、外科医のトレーニングや患者のケアに対する取り組みを行っている。

このところ、各方面で活性化を見せているグーグルグラスの業務利用だが、医療分野での利用はますます広がっていきそうだ。(Google Glass Info)

Photo:UCD School of Medicine & Medical Science(flickr)

Google Glass enters operating room at Stanford